1年で一番老化を進めてしまう季節が夏。この季節に正しいエイジングケアをすることで、肌年齢を若く保つことができます。この記事では、若さを保つ夏のエイジングケアをご紹介します!
肌の老化の原因の80%が「光老化」と言われており、ずばり紫外線によるダメージが原因です。したがって、肌の露出が増える夏はしっかりと紫外線対策をしないと、肌の老化をすすめてしまいます。
地上に届く紫外線には2つの種類があるのはご存知でしょうか?
●肌を赤くし、シミ・そばかすの原因となるUV-B(紫外線B波)
紫外線B波は、表皮で散乱・吸収されます。はじめの数時間で肌が赤くなり、炎症を起こさせます。表皮の基底層にいるメラノサイト(色素細胞)にも届き、メラニンが作り出され、シミや色素沈着の原因となります。ビーチなどのレジャーシーンで肌にダメージを与える紫外線なので「レジャー紫外線」とも呼ばれます。
●肌を黒くし、シワ・たるみの原因となるUV-A(紫外線A波)
紫外線A波は、30~50%が真皮層まで届きます。長年繰り返し紫外線A波を浴び続けると、真皮層の線維芽細胞やコラーゲンが損傷し、シワやたるみをたくさん作ります。夏は紫外線対策なしで日光の下に20分以上いると、すぐに肌はダメージを受けて老化がすすみます。日常生活で気をつけないと老化や日焼けをすすめる紫外線のため「生活紫外線」とも呼ばれます。
UVAとUVBと皮膚
もう一つの原因は、いわゆる「夏バテ」です。気温の差で自律神経が乱れ、肌や体にストレスが溜まりやすく、肌の老化の原因にもなります。室内は冷房で冷え、外は暑く湿度が高いと、屋内外の気温差が10℃以上になり、体温調整がついていきません。体温を調整している自律神経が乱れると、血行不良を起こしたり、ホルモンバランスが崩れたりし、肌にも影響を与えます。ストレスが増えると体内の活性酸素が増え、肌の細胞にもダメージを与え、老化をすすめます。
日焼け止めを塗るのはもう当たり前のことですが、SPFやPAの数値もしっかりチェックしましょう。夏はできればSPF30(紫外線B波)、PA++(紫外線A波)の数値の日焼け止めを買いましょう。
屋外のレジャーに行く方は、SPF50、PA+++の数値の日焼け止めを買い足すのをおすすめします。
日焼け止めに配合されている、紫外線から肌を守る成分には「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」があります。両方とも配合されているものもありますが、ナチュラルコスメや敏感肌用の日焼け止めは、紫外線散乱剤が入っていることが多いです。
メトキシケイキ酸エチルヘキシル・メトキシケイヒ酸オクチル・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルなど
使用感が良く、塗った後にベタついたりしませんが、強力に紫外線からガードします。
太陽の熱とともに分解されるので、汗や水に濡れたときはこまめな塗り直しが必要です。
肌が弱い方、乾燥が進んでいる方には刺激を感じることもあります。
こういう方は、紫外線散乱剤が主に使われる日焼け止めを使いましょう。
酸化亜鉛・酸化チタン・水酸化AI など
いわゆる鏡が光を散乱、反射するような効果があります。刺激が少ないので乾燥肌や敏感肌にも比較的安心です。汗や水に濡れてもタオルで拭き取らない限り落ちにくいです。
ただし、白くなりやすい日焼け止めのため、高配合だと白浮きしたり、ベタッとします。
たっぷり塗ると、洗い落としにくいです。
普段オフィスや家で仕事する方は移動のときだけなので、紫外線吸収剤の数値が低めの日焼け止めでも良いでしょう。その方が、洗い流す時の肌の負担も少ないです。
外出が多い方や、レジャーに行くときなどは、汗に強い紫外線散乱剤の数値が高めの日焼け止めを使いましょう。
加えて、日傘や帽子などもUVカット加工がされたアイテムを併用しましょう。ただし、UVカット加工は使用頻度により、少しずつ剥がれるそうです。夏によく使った日傘や帽子は、できれば1年に1回は買い替えた方が良いでしょう。
夏は誰でも体感温度差を感じるものですが、明らかに冷房の下で冷えを感じる、悪寒が走るなどの自覚があれば、自律神経が乱れている可能性があります。できるだけ冷房の下では厚着をするなどの対策をしましょう。就寝前には熱いお風呂か、体温くらいの温度で半身浴をする方も多いですが、お風呂もエネルギーを消費します。バテて疲れているときはただでさえエネルギーがありませんので、このような行為は控えましょう。自律神経を整えるには「温冷浴」がオススメです。
①42℃くらいの熱いお風呂に3分浸かる
②20℃以下の冷たいシャワーを浴びる
①と②を4、5回繰り返します。
冷たいシャワーで血管を収縮させて、熱いお風呂で血管を拡張させます。乱れた自律神経の体温調整機能を整えて、ストレスを解消し、冷えにくい体にします。お風呂上りには「夏バテ肌」をしっかりとケアしましょう。
※持病のある方は医師に十分相談の上、行ってください。
肌表面はベタつき皮脂もあるのに、ザラつく、カサつく肌になりやすいのが夏です。これは肌奥の潤いが足りないからです。さっぱり系の化粧水で肌を落ち着かせ、次にしっとり系の化粧水で「水分」を補給する「ダブル化粧水」がオススメです。
乳液やクリームなどは「油分」も入っているものが多いですが、しっとり系の化粧水はほとんどが水分です。できれば夏は「油分」は少なめにし「水分」補給を強化しましょう。浸透性のあるカプセル技術やナノ技術が活かされた成分の入った化粧水だと肌奥まで潤いを届けてくれます。
紫外線と冷え以外にもう一つ、夏の肌でケアが必要なのが「角質肥厚(かくしつひこう)」です。角質肥厚とは、肌の表面にある角質が溜まって厚くなってしまうことです。
この状態の肌は滑らかさをなくし、硬くゴワゴワしています。
角質肥厚の一番の原因は、汗や皮脂の汚れが溜まりやすくなっていることです。そして、上述したように自律神経が乱れて、肌の調子も悪いと「ターンオーバー」が悪くなります。本来毎日少しずつ剥がれ落ちる角質ですが、落ちずに残っていると次第に角質が厚くなり、硬くなります。分厚い表層部はでこぼこしやすく、毛穴も目立ちやすいので、くすんでみえます。
夏の1日の終わりの肌はべたつき、汗と脂の汚れを感じやすくなります。さらに、紫外線とストレスにより肌細胞の活性が低下します。夏は余分な角質とどんどん肌の奥から上がってくるメラニン色素を毎日少しずつ落としましょう。AHAなどのフルーツ酸や酵素の入った拭き取り化粧水や、天然素材のパウダー状スクラブなど、マイルドで特別なクレンジングをしましょう。
夏の老化の原因は80%が「光老化」ですから、紫外線対策を徹底して行いましょう。「夏バテ肌」は肌の調子を悪くし、老化を助長します。自律神経を整えるケアが大切です。
夏に起こりやすい「角質肥厚」も、角質ケアをして、ターンオーバーが乱れることを防ぎましょう。
フランスで美容とコスメの国家資格を取得。ゲランや日系商社に勤め化粧品マーケティングやビジネススキルを磨き、スパ・elieoZenを原宿にOPEN。ストレスを取りメンタルに作用し、顔立ちを若々しくする独自施術・The 光明フェイスデザインが人気。