季節によって、肌がさらされる状況は大きく異なるため、その季節ごとに合わせたケアを行う必要があります。今回は、各季節における、適切なケア方法を解説します。
春といえば、一年のうちでも一番ゆらぎ肌の状態であり、敏感なため、季節の変わり目の吹き出物に悩む方が増える季節です。冬が終わり、気温が暖かくなってきて寒さがなくなれば、保湿も軽くしていいというわけではありません。まだまだ肌の体内時計は春にシフトされていませんので、十分に保湿し、4月の終わりまでは肌の保護をしっかりしましょう。冬の間にしっかりバリア機能を崩さないよう、日中の保護、保湿を欠かさないでおくことが、花粉症による肌のかゆみなど、春のトラブルスキンを避ける秘訣です。
5月あたりからは紫外線量も高くなります。日焼け止めのSPF値が低ければ高いものに変更する、活性酸素を増やさないよう、抗酸化効果が期待できる食品やスキンケアを取り入れるなど、冬の化粧品がなくなるタイミングで、春夏のスキンケア化粧品に変えましょう。
梅雨が始まると湿度が高くなり、角質も溜まりやすくなります。スクラブなどの角質ケアも、6月くらいから取り入れてみましょう。
7月からは雨の日と、日差しの強い日が増えます。室内は冷房で冷え、外は暑く、自律神経が乱れやすい季節です。夏の肌は、一番紫外線とストレスにさらされやすいので、夏のスキンケアが正しくできているかどうかで、肌老化の進行度合いに差が生まれます。季節の中でも夏は一番スキンケアに手をかけましょう。
夏の1日の終わりの肌はべたつき、汗と脂の汚れを感じやすくなります。また、紫外線やストレスにより肌細胞の活性が低下します。夏は余分な角質とどんどん肌の奥から上がってくるメラニン色素を毎日少しずつ落としましょう。AHAなどのフルーツ酸や酵素の入った拭き取り化粧水、天然素材のパウダー状スクラブなど、マイルドで特別なクレンジングをしましょう。
夏は、肌表面の皮脂が多くてベタつくものに、カサつき肌になりやすいです。これは肌奥の潤いが足りないからです。クレンジングをした後は、さっぱり系の化粧水で肌を落ち着かせ、次にしっとり系の化粧水で「水分」を補給をする「ダブル化粧水」がオススメです。乳液やクリームなどは「油分」も入っているものが多いですが、しっとり系の化粧水は水分がほとんどです。できれば夏は「油分」は少なめにし、「水分」補給を強化しましょう。浸透性のあるカプセル技術やナノ技術がいかされた成分の入った化粧水だと肌奥まで潤いを届けてくれます。
夏だから、汗をかくからといって、日中の保湿や保護を怠ると肌はすぐに老化します。油分は少なめにしたとしても、クリームや下地、日焼け止めはつけましょう。冷房で乾きやすい頬や口元、目元にはアイクリームや美容液、美容オイルなど、日中でも保護をして、保湿力を維持するものをつけましょう。
夏に蓄積したダメージが表にあらわれ、くすみやシミが気になる季節です。太陽の光も夏から秋のトーンに変わり、肌色が暗く見えます。紫外線でダメージを受けた真皮層の線維芽細胞が衰え、シワやたるみが気になる方も増えるでしょう。
少しお財布に余裕のある方は、エステなどでフェイシャルケアを受けるといいでしょう。秋は1年で一番過ごしやすい季節です。夏で乱れた自律神経を整える意味でも、リラックスをする時間を取りましょう。まずは夜だけクリームを多めにするなど、冬に備えてスキンケアも油分のあるリッチなものに少しずつシフトします。秋は美白ケア、ダメージケアが大切です。
冬は本格的に乾燥が気になりだしますので、保湿ケアが中心になります。混合肌や脂性肌の方も油分がある部分と、そうでない部分がありますので、乾燥するところには油分の入った化粧品を使いましょう。朝晩ともに、肌を十分に保湿する、保護することが大切です。
●洗い過ぎないクレンジングと洗顔を
湿度が低く、乾燥した空気だと肌の水分も油分も少なくなります。夏のようにしっかりと洗い落とすのではなく、必要分の皮脂を残す洗顔が大切です。
寒さで血行が悪くなりやすい季節なので、お風呂の中でクレジング後にマッサージなどをするといいでしょう。
春のケアで書いたように、春の肌トラブルは、冬のケアが正しいかどうかで決まります。バリア機能を冬の間に崩さないよう、アミノ酸やセラミド、ヒアルロン酸などの保湿因子やバリア機能を高める成分の入った化粧水や乳液をたっぷりと使いましょう。
乾燥しやすい季節はシワや小じわができやすいです。肌の密度を高める成分、肌の真皮層の線維芽細胞を活性化し、コラーゲンなどを産み出させる高機能成分などの入った美容液などを使いましょう。
どんな肌タイプでも、部分的に乾燥しているのが冬ですが、普通肌や乾燥肌、老化肌の方は特に油分多めか、または半分くらいが油分のリッチなクリームで保護をしましょう。また、敏感肌やトラブルスキンの方は、乾燥がすすみ炎症を起こしてしまうことも。シソ葉エキスやビワ葉エキスといった抗炎症効果のある天然成分が入ったクリームで保護力を高めましょう。
春はゆらぎ肌の季節。冬の保湿&保護ケアを続けて少しずつ夏ケアに変えましょう。夏は角質ケアと水分補給をしっかりとしましょう。紫外線対策はマストです。秋は美白とダメージケアをしましょう。冬はしっかり保湿&保護と、肌の再生を促すケアをしましょう。バリア機能を崩さないようにすることが、春のトラブルを未然に防ぐ秘訣です。
フランスで美容とコスメの国家資格を取得。ゲランや日系商社に勤め化粧品マーケティングやビジネススキルを磨き、スパ・elieoZenを原宿にOPEN。ストレスを取りメンタルに作用し、顔立ちを若々しくする独自施術・The 光明フェイスデザインが人気。