香りと美容の関係性とは

「香り」と聞いて、皆さんは最初に何を思い浮かべるでしょうか? ここ数年、ストレス社会と呼ばれるようになった影響もあり、アロマテラピーやハーブセラピーなどの植物療法などにも注目が集まっているので「アロマ(芳香)」というキーワードを思い浮かべた人が多いのではないでしょうか。
香りを感じる嗅覚は人間が持つ五感の中でも最も本能的で原始的な感覚と言われ、最近では認知症の治療など医療にも活用されています。そこで今回は、香りと美容の関係性についてお話しします。

香りが美容にもたらす影響とは

37911924 - beautiful woman relaxing in the beauty salon,

前述した通り、香りは嗅覚を刺激し、さまざまな働きをもたらしてくれます。なかでも、アロマテラピーはさまざまな植物の香りを楽しみながら、その香りの成分、つまりエッセンシャルオイル(精油)を使って心と体、肌を整えるという古くから伝わる生活の知恵です。香りの成分を嗅覚・呼吸器・皮膚などからの香りや成分を吸収することで、さまざまな効果を得ることができます。

香りがもたらす影響として、ホルモン分泌を調節する作用が挙げられます。これには脳の内分泌中枢から各内分泌腺に働きかける作用と、成分が人間のホルモンと構造的に似ていることから発揮される作用があります。
また、エッセンシャルオイルは神経系にも作用し、代表的なものとしてリラックス効果をもたらす鎮静作用があります。これは森林浴して植物(グリーン)の香りに癒されている状態に近いですね。これ以外にも、身体的作用としてはお肌を整える収れん作用、消毒・殺菌作用、抗菌・抗真菌作用などもあります。

アロマテラピー、エッセンシャルオイルと聞くとちょっと敷居が高い感じがしますが、日本で昔から親しまれてきた柚子湯、菖蒲湯といった植物湯も自然療法の一種ですし、ハーブティーの香りを楽しみながら飲むことも同じような効果を期待できます。

女子力アップに効果的な香り

69538167 - spa concept with pink roses on a old wooden background

アロマテラピーで最も注目して欲しいのは「ローズ」です。女性にとても人気な花の一つ「バラ」から採れるエッセンシャルオイルは、高貴で優雅な芳しい香り。その香りには緊張やストレスを和らげてくれる作用があります。また、自信を与え、気持ちを高揚させる作用もあり、ネガティブな気持ちをほぐして気持ちを豊かにしてくれます。

肌へも嬉しい作用があり、肌の再生力を高め、たるみや老化防止効果も。肌が弱っている敏感肌や肌荒れ時のマッサージにも最適です。
体調面では生理不順や更年期障害の症状を和らげてくれる作用があります。月経痛や月経前緊張症(PMS)が気になる人はぜひ取り入れてみてください。

リラックスに効果的な香り

16480750 - pestle and mortar with lavender flowers on the oak table

リラックスといえば、やはり「ラベンダー」です。爽やかなハーブとフローラルな香りが入り混じるラベンダーの香りは、心と体のバランスを整えてくれて、心身ともに良い作用をもたらしてくれます。ストレスを緩和する作用があるのでイライラしたり落ち着かない時には気持ちを静めてくれたり、眠りを促す作用もあるので不安感や疲労感を感じている時には就寝時に活用するのもオススメです。
体調面では血行を促しリンパの流れを良くし、血圧を鎮めてくれます。ラベンダーのエッセンシャルオイルは緩和してくれる症状数が多く、香りが苦手でなければ1本は持っていたい精油です。

消化器系に効果的な香り

46944234 - lemon grass hot tea

果物のレモンに似たフレッシュな香りを持つレモングラスは、柑橘類ではなくイネ科の植物で、タイ料理の代表格トムヤムクンなどの料理には欠かせない食材として有名です。肉や魚の臭みを消すという目的以外にも、胃腸の調子を整える薬草として古くから使われています。消化器系に作用するため、消化促進、食欲増進につながります。

体調面では鎮痛や鎮痛作用があり、筋肉痛や肩こりなどの痛みを和らげる効果が期待できます。
意外な作用として殺虫作用があること、爽やかな香りでつけやすいことから最近ではオーガニックの虫除けスプレーなどに配合されています。

快眠に効果的な香り

好みの香りを嗅げばそれだけでリラックスすることができますが、「今日ぐっすり寝たい!」そんな時はカモミールがオススメです。カモミールにもさまざまな作用がありますが、鎮静作用によって不安やイライラを緩和して、安眠効果をもたらしてくれます。

不眠症に悩む人で睡眠導入薬に頼っている方はアロマテラピーであれば副作用のリスクが低いので、アロマを上手に併用するのが良いでしょう。

まとめ

今回は香りと美容の関係性について解説しました。アロマテラピーでは、1つの香りに対して1つではなく、複数の作用があり、それらを掛け合わせることで相乗効果も期待できます。これまで敷居が高いと感じでいた方も、ぜひハーブティーからでも構わないので、日常生活に上手に取り入れてみてください。

高橋果内子

この記事の専門家

美容家/コラムニスト高橋果内子

OL生活を経て30歳で美容業界に転身。過去のモデル経験、多数の美容資格取得の経験から幅広いジャンルの美容情報に精通。 現在は、美容コーディネーターとして活動しウェブメディアにて多数連載を持つ。
一般社団法人 地域復興美と笑顔を繋ぐ会の代表も務め、美容家仲間たちと美にまつわる活動を通じてボランティア活動も行っている。