毎年夏になると気になる紫外線。でも紫外線は目に見えないので、レジャーに行く時はしっかり対策するけれど、普段はうっかりケアを忘れがち……といった人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、紫外線対策はいつ必要なのか、なぜ紫外線対策が必要なのかについて解説します。
紫外線と聞くと「夏になったら対策すればいいでしょ」と思う人が多いでしょうが、その考え方はNGです。確かに夏は日差しが強いので紫外線量も多いと思われがちですが、紫外線は年間を通して降り注いでいます。気象庁が観測しているデータを見てみると、紫外線A波(UV-A)、紫外線B波(UV-B)ともに5月〜8月がピークですが、それ以外の月もピーク時の25〜50%程度の量が観測されています。
また、紫外線は晴れているときだけではなく、曇りのときも要注意です。曇りの日でも晴れの日に比べて約90%の紫外線があると言われているため、“うっかり日焼け”にならないためにも、夏も冬も、晴れている日も曇っている日も紫外線対策をするようにしましょう。
紫外線対策をする理由の一つは日焼け(急性炎症)防止です。日焼けは紫外線を浴びて皮膚内部のメラニンが生成・増加することによって色が黒くなったり赤くなったりすることを指しますが、紫外線を浴びた直後に色が赤くなる状態は、紫外線の影響を受けて皮膚が軽度の火傷を起こしている状態です。ひどければ水ぶくれになってしまうこともあります。
もう少し長い目で考えると、紫外線は老化を進行させるという美容的な問題があります。最近では「光老化」というキーワードが話題ですが、光老化はエイジング(加齢)に伴う自然的生理的老化とは異なるものと考えられていて、最悪の場合皮膚がんのリスクが高まる可能性もあります。
日本では皮膚がんの発生率が低いためあまり話題にはありませんが、世界で一番皮膚がんの発生頻度が高いと言われるオーストラリアでは子供の頃から長袖を着たり帽子をかぶったりするなどの対策を講じています。
日焼け止めのパッケージには「SPF」という文字が描かれていますが、SPFとは「Sun Protection Factor(サンプロテクションファクター)」の略。主に紫外線B波(UV-B)の防止効果を表す目安の数値で、数字が大きいほど効果が高くなります。SPF値が30と書かれていると「これは30時間効果がある」というイメージを持つ人がいるようですが、SPFは日焼け止め効果の持続時間を示すものではありません。何も塗らない時と比べてどれくらい日焼けを遅らせることができるのかという紫外線防御力を示すイメージです。
ですから、日焼け止めを塗ったからと言って全く日焼けしないということはありませんし、時間が経つとともに効果が減っていきます。
ここからは、シーンごとにどんなことに気をつけた方が良いのか、解説します。
まずは、レジャーに行くとき。ウインタースポーツなどに出向いて1時間以上日焼け止めを塗り治せない状況になる場合はSPF50以上がオススメ。汗や水に強いウォータープルーフタイプを選べばより効果的です。しかし、ずっと効果が続くわけではないのでこまめに塗りなおしましょう。
ウォーキングなど屋外で軽くスポーツをする時や通勤やちょっとそこまでお出かけする程度であればSPF 30〜35くらいでOKです。
「私インドア派なので、日焼け止めは要りません」と考える人もいるかと思いますが、室内にいても紫外線を浴びないとは限りません。窓に特殊な加工がされていれば別ですが、UV-Aは窓ガラスで遮ることはできません。つまり窓ガラスを通過して紫外線は室内にも降り注いているのです。「室内だから大丈夫!」と油断して窓際では気持ちよく昼寝……という時でも日焼け止めは塗るようにしましょう。
一番効果的な紫外線ケア方法としては「紫外線に直接当たらないようにする」ことですが、毎日外出しないで生活はできませんので、以下の方法を取り入れましょう。
①日焼け止めを塗る
一番ポピュラーな方法です。最近では化粧下地やファンデーションにもUVケア効果が含まれているものが増えましたので、顔の紫外線対策はほぼOKだと思いますが、夏以外の露出が少ないシーズンは意外と手の甲が日焼けしますので、注意しましょう。
②日傘をさす
日傘をさして日焼け止めを塗っていれば鬼に金棒。最近はデザイン性があってUVカット加工素材を使ったおしゃれな日傘が増えていますので、ぜひ好みの日傘を探してみてください。
③ハンドグローブをする/長袖を着る
体に日焼け止めを塗るのが面倒という人は、ハンドグローブがオススメです。紫外線遮光効果の高い長い手袋をしておけば日焼けを回避できます。夏は暑苦しいですが、長袖着用でも代用できます。
④帽子やサングラスを活用する
帽子やサングラスもハンドグローブと同じ効果があります。TPOに合わせて問題なければ帽子やサングラスも取り入れましょう。
これまでのお話で、一年中紫外線対策をした方が良い理由はご理解いただけたと思います。紫外線対策と聞くとちょっと面倒なイメージもありますが、将来への投資だと思ってできることから始めてみてください。
OL生活を経て30歳で美容業界に転身。過去のモデル経験、多数の美容資格取得の経験から幅広いジャンルの美容情報に精通。 現在は、美容コーディネーターとして活動しウェブメディアにて多数連載を持つ。
一般社団法人 地域復興美と笑顔を繋ぐ会の代表も務め、美容家仲間たちと美にまつわる活動を通じてボランティア活動も行っている。